気候変動対応の鍵であり、生物多様性の宝庫であるアマゾンの熱帯雨林消失が止まりません。2022年、アマゾンの大半を有するブラジルでは、1日にサッカー場約3,000個分の森林が失われました。

私たちの事業地であるアマゾナス州は、ブラジル・アマゾンの熱帯雨林の約半分が集中し、長年豊かな森が守られてきた地でした。しかし近年、幹線道路の整備の影響もあり、森林減少が急増しています。その背景には、”森の番人”である伝統的住人達が、愛する森と共に生きることを望んでいるにも関わらず、経済的理由から町へ移住せざるを得ない現実があります。”番人”が不在になった森は、木材伐採業者や牧場開発者に転売されるリスクが高まります。

アマゾン奥地にも貨幣社会は浸透しており、現金がなくては病気になった時に適切な治療を受けたり、子供に望む教育を与えることも難しくなってしまいます。外から環境保全のみを押し付けられる事を快く思っておらず、「自分たちにも、自分達の土地を活用してお金を稼ぐ権利がある」と主張します。経済的困窮から、食料や飲水を提供してくれる川や森を汚染する違法金採掘に従事せざるを得ない人も出てきています。

「僕は森を愛している。森と生きて、森で死んでいきたい」

先住民族のおじさんは言います。彼らが愛する森と共に生き続けられることが、アマゾン保全につながります。

そこで私達は、主に下記の活動を行っています。

【活動①】：伝統的アグロフォレストリーの普及
多様な植物や微生物、昆虫などで形成される森林生態系を再生しながら、その生産性を人間にとっての有用植物にも活用することで、環境と経済の両立を目指します。


【活動②】：生産された作物の高付加価値化
肥料も農薬も使わず育てた栄養価たっぷりのアマゾンの”スーパーフルーツ”に付加価値をつけ、ブラジルや日本の消費者に届けます。特に、カカオの原産地アマゾンだからこそ存在する貴重な野生種カカオの高付加価値化に力を入れ、現地のチョコレート工房と共に100%アマゾン産「野生のチョコレート」を生産しています。


【活動③】：環境教育
“森の番人”の子供達や町に暮らす子供達、また消費者向けの環境教育を行っており、アマゾンの価値や環境保全型産業の必要性について伝えております。